◆第173回天皇賞・春(5月3日、京都競馬場・芝3200メートル、良)
淀の長距離G1・天皇賞(春)が、今年もドラマを生みました。15頭が挑んだ3200メートルの消耗戦で、1番人気クロワデュノール(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎、父キタサンブラック)が勝利。直線で早めに抜け出す王道の競馬を見せながら、ゴール前ではヴェルテンベルクの強烈な追い上げを受け、着差はなんと鼻差――推定2センチ差。決着はすぐにはつかず、ファンの視線が固まる長い写真判定の末に、クロワデュノールの勝利が確定しました。勝ちタイムは3分13秒7。春の盾は、紙一重の攻防を制した者の手に渡りました。

未知の3200mを実力でねじ伏せた「現役最強馬」
クロワデュノールにとって、3200mという未知の距離は今回が初めての挑戦でした。これまでの過去最長距離は、優勝した2025年の日本ダービーや、凱旋門賞(14着)、ジャパンカップ(4着)での2400m。一部の競馬ファンの間では「長距離適性への不安」を懸念する声も囁かれていました。
しかし、ダービー馬はやはり強かった。父キタサンブラックに続く「大阪杯からの父子制覇」という偉業を達成し、名血の底力を存分に証明してくれました。なお、ダービー馬が春の盾を制したのは、2007年のメイショウサムソン以来という歴史的快挙です。強豪が揃う長距離G1を制覇し、これで堂々のG1・4勝目。現役最強馬としての地位を不動のものにしたと言えるでしょう。

息を呑む直線!伏兵との推定2センチ差の死闘
レースは終盤、直線で早め先頭に抜け出したクロワデュノールに対し、12番人気の伏兵ヴェルテンベルク(松若風馬騎手)が外から猛烈な追い上げを見せます。馬体をピタリと併せるようにゴール板を駆け抜けた2頭。勝ちタイムは3分13秒7でした。
肉眼ではどちらが勝ったか全く分からないほどの際どい勝負となり、結果は長い写真判定へ。確定した着差は「鼻差」、距離にしてわずか「推定2センチ」という薄氷を踏む勝利でした。なお、3着には2番人気のアドマイヤテラ(武豊騎手)が入り、見応えのある力比べとなりました。
北村友一騎手の本音「ゴールした時は本当に分からなくて」
この極限の勝負を制し、自身初の天皇賞・春制覇を果たした北村友一騎手。レース後のインタビューでは、長い写真判定を待つ間のリアルな心境を語ってくれました。
「ゴールした時は本当に分からなくて、勝っているのか負けているのか、分からない状況で上がってきました。上がってきても写真判定が長くて。(勝って)本当にホッとしています。よかったです」と、安堵の表情を浮かべました。
また、緊迫した写真判定中の過ごし方について聞かれると、「ドキドキというよりも、斉藤先生とレースのことについて話をしていて、状況を詳しくしゃべっていたので、自然と時間が流れていました」と、陣営との固い絆を感じさせるエピソードも披露。
さらに相棒の強さについて、「本当に総合力があるので、機動力があって、速く踏んで、攻めていく形になりましたけど、頑張ってくれると信じて追っていました」と、絶対的な信頼を口にしました。
まとめ:クロワデュノールの次なる伝説へ
今年の春の盾は、「【天皇賞・春】推定2センチ差!!長い写真判定の末にクロワデュノールが勝利 北村友一騎手「ゴールした時は本当に分からなくて」」という言葉に全てが凝縮されたような、素晴らしいレースでした。
未知の距離不安を吹き飛ばし、極限のプレッシャーの中で接戦を制した精神力と総合力。クロワデュノールは間違いなく日本競馬界を牽引する絶対的なエースです。秋の大舞台に向けて、そして世界への再挑戦に向けて、次なる伝説の幕開けをこれからも全力で応援していきましょう!

