◆第61回小倉記念・G3(7月20日、小倉競馬場・芝2000メートル、良)
2025年7月20日、小倉競馬場を舞台に行われた第61回小倉記念(GIII)は、多くの競馬ファンにセンセーショナルな驚きと感動をもたらすレースとなりました。キーワードは“イングランドアイズ重賞初制覇”――。9番人気という低評価を覆し、牝馬イングランドアイズが見事な末脚で豪華メンバーを打ち破る快挙を成し遂げました。その感動のレースを徹底的に振り返ります。

牝馬が格上挑戦でつかんだ栄冠
イングランドアイズは、これまで3勝クラスで揉まれてきた存在。今回は重賞レース初挑戦かつ唯一の牝馬という立場での出走でした。それだけでも厳しい挑戦に映りますが、同馬の血統には“格”があり、父に名種牡馬Kingman、母ヌーヴォレコルトは2014年のオークス馬という華麗な系譜が光ります。しかしながら、馬券的には9番人気と大きく評価を落としての出発でした。
レース展開と勝利のポイント
松若風馬騎手と初コンビとなったイングランドアイズは、スタート後ほどなくして4番手付近にポジションを確保。ペースはおとなしく流れる中、無駄な脚を使わずじっくりと折り合って進みます。
レースが動いたのは直線、激しい追い比べ。人気のディープモンスター、勢いあるシェイクユアハート、そして多くのファンが期待したメリオーレムが脚を伸ばす中、イングランドアイズは抜群の反応で先頭に躍り出ます。そのまま力強く伸びてゴール!2着シェイクユアハートに1馬身と3/4差をつけ、自己初となる重賞制覇――これぞ見事な快挙でした。
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勝因と今後の期待
今回の勝利には、馬自身の能力と、松若騎手の冷静なエスコートが光りました。ロスなく進めたレース運び、直線での瞬発力発揮はもちろん「格上挑戦」を全く感じさせない堂々たる競馬。21年ぶりの紅一点重賞制覇(牝馬優勝は2022年マリアエレーナ以来)ということも競馬ファンの心を熱くさせます。
母ヌーヴォレコルト譲りの“勝負根性”も再発見できた今回。牝馬限定戦だけでなく、今後は牡馬相手の重賞戦線でも上位を賑わせる存在となりそうです。
格上挑戦ながら初重賞Vを飾ったイングランドアイズ(画像は競馬ラボより引用)
敗れた人気馬たち――過酷な夏競馬の難しさも浮き彫りに
一方、1番人気に支持されたメリオーレムは9着敗退。川田将雅騎手も「暑さにやられた」と振り返るように、酷暑の小倉開催特有のコンディションも勝敗を分けた要因のひとつでした。
まとめ:イングランドアイズの重賞初制覇は新たな物語の幕開け
小倉記念イングランドアイズの重賞初制覇は、挑戦することの素晴らしさ、あきらめない強さを改めて感じさせてくれました。これから秋競馬に向け、さらに成長した姿を私たち競馬ファンの前に見せてくれることでしょう。今後のイングランドアイズに一層注目です!
【勝ち馬プロフィール】
◆イングランドアイズ(牝5)
騎手:松若風馬
厩舎:栗東・安田翔伍
父:Kingman
母:ヌーヴォレコルト
母の父:ハーツクライ