オリオールズ 5ー1 ロッキーズ
メジャー1年目の日本人右腕、菅野智之が魅せている。現地7月27日(日本時間28日)、ボルティモア・オリオールズの本拠地カムデンヤーズで行われたロッキーズ戦に先発登板した菅野は、6回91球を投げて4安打1失点、8奪三振2四球と圧巻の内容で今季8勝目を手にした。試合はオリオールズが5-1で快勝。菅野のクオリティ・スタートがチームを勝利に導いた。

菅野智之、メジャー初年度で躍動
今季12月に1年契約でボルティモア・オリオールズに加わった菅野智之は、「35歳のルーキー」として注目を集めてきた。実績十分のNPBでも見せてきた安定感は、メジャーのマウンドでも健在。先発ローテーションでほとんど休むことなく、すでに8勝5敗とチーム投手陣の柱の働きをしている。
現地紙『ニューズ・デイ』も、「オリオールズが菅野を今季終了まで引き留めたい理由は多々ある」とし「彼はクラブハウスで愛される存在であり、何よりもマウンドで勝つ術を知っている」と絶賛。トニー・マンソリーノ暫定監督も「我々には彼が必要だ。菅野が好投すると我々に勝利のチャンスが訪れる」と絶大な信頼を寄せる。
トレード市場の渦中で
今シーズンのMLBはトレードデッドラインが目前に迫り、多くの選手が移籍の噂に揺れている。菅野も例外ではない。先発投手を補強したい上位チームにとって、経験豊富かつ安定感抜群のベテランは大きな魅力であり、すでにトレード候補として名が挙がっている。
現地報道も、「ペナントレースやワールドシリーズ制覇を狙う他球団にとっても、菅野は非常に魅力的な存在」と指摘。一方で、「菅野はボルティモア残留を望んでいるものの、刻一刻と迫るトレード期限の最後まで何が起きてもおかしくない」とも伝えている。
【PR】DMM.com証券の新規アカウント登録のお申込みはこちら
圧巻のピッチングと今後の去就に注目
今季ここまで、菅野は防御率・三振数ともにチームを牽引。今回のロッキーズ戦でも、自己最多タイとなる8奪三振で6回をきっちり抑え込むなど、ベテランらしいピッチングを披露した。この内容には監督やチームメートだけでなく、対戦相手からも称賛の声があがっている。
ただし、メジャー1年目にして重要な岐路に立たされているのも事実である。「この日曜がオリオールズでの最後の先発登板となるかもしれない」という緊迫した状況の中でも、菅野の落ち着きとプロフェッショナリズムは際立っていた。
菅野智之の真価が問われる後半戦
トレード市場での去就がどうなるにせよ、菅野智之の価値は揺るがない。貴重な戦力としてチームに貢献する一方、移籍先でも即戦力となる力を兼ね備えていることは間違いない。ファンとしては、菅野がどのユニフォームを着て後半戦を戦うのか、その行方に注目せざるを得ない。
来たる八月、菅野智之がオリオールズに残り、さらなる勝利を積み上げるのか、それとも新たな環境で躍動するのか――。今後もその一挙手一投足から目が離せない。