2025年12月1日、長年親しまれてきた紙やプラスチック製の健康保険証がついに使えなくなります。政府が推進するマイナンバーカードとの一体化「マイナ保険証」への転換が本格化する中、まだ移行が完了していない国民も多いのが現状です。

移行の現状と課題
およそ3割の人がまだマイナ保険証を利用できていません。この状況は全国の多くの自治体でも同様です。きょう12月1日で「紙の保険証」期限切れとなりますが、医療機関で困らないための対応策を事前に把握しておくことが重要です。
保険資格は失われません
重要なポイントとして、従来の保険証の有効期限が切れても、健康保険の資格自体がなくなるわけではありません。医療機関で保険診療を受ける権利は変わりません。変わるのは「保険資格を証明する方法」のみです。
2つの対応方法
12月2日以降、病院の窓口に出すのは以下のいずれかになります:
1.「マイナ保険証」で受診する マイナンバーカードを健康保険証として登録した方法です。過去の薬・診療データの活用、高額支払い不要、救急現場での適切な対応など、複数のメリットがあります。登録はマイナポータルやセブン銀行ATMで簡単に行えます。
2.「資格確認書」で受診する マイナカードを持っていない、または保険証として登録していない人が対象です。自動で自宅に送付されます。従来の保険証と同じサイズのカード型で、氏名や保険者番号が記載されており、医療機関の窓口で従来通り提示するだけで保険診療が受けられます。
資格確認書について
「資格確認書」は最長5年の有効期限があり、期限が近づくと自動更新されます。2025年4月30日時点でマイナ保険証を持っていない人には、7月下旬から10月下旬にかけて、加入している健康保険から順次発送されています。
注意すべき点として、「資格情報のお知らせ」という書類も送付されている場合がありますが、これは補助書類であり保険証の代わりにはなりません。資格確認書は受診できますが、資格情報のお知らせでは受診できないため、区別が重要です。
- マイナ保険証がある人
原則、2025年12月1日以降はマイナ保険証を持参して受診しましょう。マイナンバーカードを取得し、マイナポータルやセブン銀行ATMなどで保険証利用登録を済ませれば、即日利用可能です。 - マイナ保険証がない人(資格確認書が届く人)
2025年4月30日時点でマイナ保険証を持っていなかったり、登録が済んでいない人には、加入している健康保険(協会けんぽ、組合、自治体)が「資格確認書」を自宅へ郵送します。2025年7月下旬から10月下旬にかけて順次発送される予定です。
問題が発生した場合
マイナ保険証による受付が上手くいかなくても、自己負担は10割ではなく、これまで通りの自己負担額です。医療機関の窓口で相談することをお勧めします。
きょう12月1日で「紙の保険証」期限切れを迎えますが、適切な準備と理解があれば、医療機関での受診に支障は生じません。自分に合った方法で対応し、安心して医療サービスを受けましょう。

